ローラー台はカーボンフレームのバイクでも使える?
更新日:2022-06-02公開日:2022-05-26
軽量で高剛性なため、スポーツ自転車のハイエンドモデルでは当たり前になったカーボンフレーム。カーボンフレームをそのままローラー台で使っても良いのか、注意点などをまとめました。
リアエンドを固定するローラー台は避けたほうが良い
カーボンロードバイクやカーボンMTBに限らず、自転車はフレームに横の力が働いた時に、車体が傾く前提で強度設計をしています。
しかし、ローラー台に固定されたカーボンフレームは、重心の傾きに対して車体を倒すことができない(エンドで固定されているので)ため、フレームの撓みで力を受け止めます。この動きはメーカーの想定外での動きです。
「そんなに横方向の力を受けないのでは?」と思いがちですが、リアエンドを固定するローラー台やスマートトレーナーでトレーニング時は、思ったよりも横方向の力が発生します。例えば、乗降車をする時、ダンシングをする時などです。
カーボンは強度が強い素材ですが、こうした「メーカーが想定しない(強度テストをしていない)力のかけ方」をすることで、カーボンにクラックが入ったり、最悪破断する可能性もあります。
実際に、国内・海外で、リアエンドを固定するローラー台でカーボンフレームにクラックが入った事例は多く報告されています。
ローラー台が原因でクラックが入らないにしても、目に見えていない小さなクラックが、ローラー台で使うことで大きくなってしまう可能性は大いにあります。
カーボンフレームバイクの固定ローラーを保証対象外にするメーカーも
カーボンロードバイクなどの高価なスポーツバイクには、メーカーの保証があります。TREKなどのように永久保証なんてメーカーもあります。
しかし、スポーツ自転車メーカーの中には、自転車の保証に「ローラー台での使用は保証対象外」とするメーカーもあります。
カーボンバイクで固定ローラーを使う際は、保証規定を事前にチェックしましょう。
カーボンフレームのバイクでローラー台を楽しむには?
3本ローラーがベスト
カーボンフレームのロードバイクは全てのローラー台で使えないのかというと、そういうわけではありません。問題はリアやフロントを固定してしまうことなので、固定しない3本ローラーならカーボンフレームのバイクでもトレーニングが出来ます。
EliteのNEROや、GrowtacのGT-Roller T1、最近ではWahooもKICKR ROLLERをリリースしているため、3本ローラーでもスマートトレーナーの選択肢はあります。
ローラー台には専用バイクを用意するほうが良い場合も
カーボンは一度クラックが入ると数万円の修理費用になるため、修理費用を払うくらいなら、安い中古のアルミバイクを入手して、ローラー台専用にしてしまったほうが良い場合があります。
ローラー台専用バイクを用意すると、価格よりも設置スペースが増えて部屋が狭くなるのが問題になりますが、「カーボンフレームにクラックが入るかも」と思ってトレーニングをするよりかはマシでしょう。